2019年6月15日(土)サイエンスカフェ「まだわかっていないこと - 海の研究 -」
東京大学農学部にて開催しました.
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今回のサイエンスカフェのテーマ
オスのウミガメの行動について
東京大学大気海洋研究所でウミガメの行動研究をしている楢崎さんに講師として登壇していただきました.

みなさんが普段テレビで目にするのは,ウミガメの産卵シーンではないでしょうか?
産卵のために砂浜にあがってくるメスの行動はよく観察されています.
産卵しないオスは砂浜にあがる必要がないため
観察することが難しく,その行動は詳しく分かっていません.
ウミガメの性別は,卵がかえるときの温度で決定します.
人間のように遺伝子で性別を特定できません.
成熟したウミガメなら外見からオスメスを見分けることができます.
しかし,未成熟の若者の場合,外見からオスメスを見分けることができません.
これがまた,オスのウミガメの調査を行う難しいポイントです.
卵から孵化したウミガメは海へ入り,回遊しながら成長していきます.
大海原でどうやって進む方向を決めているのか?
これもウミガメの大きな謎です.

今回のディスカッション・テーマは
テーマ1.オスのウミガメの行動をどうやって研究したらいいか
テーマ2.回遊ではどうやって進む方向を決めているのか
ウミガメの生態について紹介したあと,参加者のみなさんにグループディスカッションをしていただき,グループごとにアイディアを発表してもらいました.
グループディスカッションで出たアイディアの一例を紹介します
テーマ1.オスのウミガメの行動をどうやって研究したらいいか
ポイント1:オスメスを見分ける必要がある
ポイント2:ウミガメを邪魔しないで観察する必要がある
アイディア|成熟メスへの反応でオスを判別する
成熟したメスに寄ってきたらそれはオスだろう,というアイディアです.
これは面白いな,と思いました!
成熟したメスからは,オスを誘引する何かが出ているかもしれません.
アイディア|ウミガメ・ロボット(カメラ付き)で追跡して行動調査をする
なんと,こちらは実際に動き出しているプロジェクトがあるそうです!
テーマ2.回遊ではどうやって進む方向を決めているのか
アイディア|ウミガメは母浜(ぼひん)回帰する.