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シャカシャカキーホルダーで水族館の人気者のくらしを学ぼう

涼と癒しを求めて水族館へ


2024年8月、アメリカマナティーのベルグとニールは、今日も新屋島水族館の水槽の中を、のんびりと泳いでいました。


今年も8月12日・13日の2日間、新屋島水族館のご協力で、ベルグとニールの水槽の前でマナティー研究所のイベントを行いました。

昨年度に引き続き、大人気のシャカシャカキーホルダー作りイベントです。

キーホルダーの中に、アクリルの生き物やビーズを入れて、かわいいキーホルダーを作りました。



人間の世界では、熱中症警戒アラートが連日のように発出され、追い打ちをかけて南海トラフ地震臨時情報が発表され、お盆休みもどことなく不安と隣り合わせの休暇を送っている方も多くいらっしゃると思います。


けれど、新屋島水族館は大盛況です。水族館のひんやりとした空気に癒しを求めにくる来場者の方々は、ゆったりと泳ぐ2頭のアメリカマナティーに癒されたのではないでしょうか。



生き物の生態を分かりやすく表現したデザイン


マナティー研究所のイベントは、今年もたくさんの水族館好きの来場者が参加してくださいました。2日間で128名の皆様にご参加いただきました!


新屋島水族館の人気者であるアメリカマナティー、バンドウイルカ、コツメカワウソの生きものたちが、キーホルダーの中で楽しそうに暮らしているようなデザインです。


マナティー研究所に協力してくださる研究者達が監修し、その生物の暮らしがよく分かるようにデザインされています


​​バンドウイルカのキーホルダーは高橋力也氏(元・近畿大学 海棲哺乳類学研究室​​)、コツメカワウソのキーホルダーは鈴木瑛之氏(元 京都大学野生動物研究センター)の監修をしていただきました。ありがとうございました。


かわいい絵は、新屋島水族館公認イラストレーターのなおちぃさんが手がけてくださっています。




アメリカマナティーのデザイン


アメリカマナティーのシャカシャカキーホルダーは、母子のマナティーが寄り添うように泳ぐデザインです。


アフリカマナティーやアマゾンマナティーは警戒心が強いですが、アメリカマナティーは人間に慣れていて人懐っこい性格です。そのため、ダイバーさんと一緒に泳いでいます。



バンドウイルカのデザイン


親子のバンドウイルカがデザインされたキーホルダーです。


バンドウイルカは日本の沿岸にも生息するイルカで、群れで暮らしています。

イカを好んで食べることから、キーホルダーの中にいれられるようにしました。


赤ちゃんイルカの尾びれのつけ根のシワは「胎児しわ」と呼ばれるもので、母親の胎内に丸くなって入っていた跡です。生後1ヶ月程度で消えてしまいます。新屋島水族館で生まれたバンドウイルカのナナちゃんにも、この胎児しわがありました。



コツメカワウソのデザイン


コツメカワウソの群れがデザインされたキーホルダーです。


基本的には水に潜って餌取りをするため、泳ぐカワウソをデザインしました。今回は犬かきで泳ぐ様子にしています。他にも、全身をつかうバサロ泳法のように泳ぐカワウソもいるそうです。

また、もう1頭は、エサとなるカニを手で上手に抱えています。カワウソは硬い殻を砕くような強い歯やアゴをもっています。


そして、彼らは夜行性で、人の暮らしに近い湿地や川などを住処としていることも表現しました。



<研究者からのメッセージ>


イルカのイラストに"胎児しわ"を表現したキーホルダーは珍しいのではないでしょうか?

彼らも我々と同じ哺乳類であることを感じられる素敵なデザインだと思います。


高橋 力也氏(元・近畿大学 海棲哺乳類学研究室)


カワウソの生態や東南アジアの生息地の様子がよく描かれていると思います!

特に左側の低木周辺が、カワウソの巣やタイの生息地周辺の環境が忠実に表現されています。


鈴木瑛之(元・京都大学野生動物研究センター)


とてもかわいいイラストの中には、生きものの暮らしを表現する要素がたくさん詰まっています。注意深く観察すると新しい発見もありますので、ぜひご覧ください。





あなたの街の生き物の暮らしを見つめよう


シャカシャカキーホルダー作りに参加してくださった方々に、上のような生態を説明し、水族館をもっと楽しめるように、そして、生きものの暮らしに思いを馳せることができるように、お一人お一人に語りかけていきました。


子どもも、楽しいキーホルダー作りを通して、自然の中での生きものの暮らしに関心を持ち、それぞれのお住まいの近くの公園や雑木林や川に住む動物たちを新しい視点でみていただく機会にしていただければと思います。


そのことがまわりまわって、地域の自然を守ることにつながるのではないでしょうか。


マナティー研究所の取り組みについて、興味を持ってくださる方も多くいらっしゃいました。このような取り組みを通して、生きものを身近に感じ、親しみを持ってくださる方がもっと多くなると嬉しいです。



おまけ カワテブクロ?


ワークショップの机のすぐ近くにカワテブクロという大きなヒトデがいました。

ボテっとした厚ぼったい雪かき用の手袋が間違って水槽の中に落っこちてしまったかのようなヒトデです。


作り物のように動かないので、死んでしまっているのではないかと飼育員さんに伝えようかと思ったぐらいでしたが、1日目の夕方の時間に元気に動き出し、私たちは今回一番の歓声を挙げました。


見れば見るほど、本当に手袋に見えてきます。そして思いついたのが、『スポンジ・ボブ』に登場するヒトデのパトリック、そのものではないですか? 公式にはパトリックの詳しいヒトデの種類については、どこにも説明されていないようです。


しかし、カワテブクロの存在感は圧倒的。アメリカマナティーとカワテブクロを観察しに、新屋島水族館へ遊びに行ってみてください。



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