2019年3月23日(土)に家族向けワークショップを開催しました.
「人魚はどっち?マナティー・ジュゴン博士がとことん解説」
合計29名のみなさまにご参加いただきました.
本当にありがとうございました!
ジュゴン博士として京都大学の市川光太郎氏をお招きしました.
そして私はマナティー博士です.
マナティーとジュゴンは海牛類(かいぎゅうるい)という仲間ですが,見た目では違いがわかりにくい,とよく言われます.
どうでしょうか?
やはり見分けはつかないですか??
今回のワークショップでは,マナティーとジュゴンの違いをしっかりとお伝えしました.
お土産のステッカーにも一工夫.
丸い形はマナティーの尾びれ,切れ込みが入った形はジュゴンの尾びれをイメージしています!
この尾びれの形のちがいが,マナティーとジュゴンを見分ける簡単な方法です.
参加者のみなさんには,マナティーとジュゴンの鳴き声も聞いてもらいました.
「どっちの声がマナティーでしょうか?」
大勢のみなさんが正解の方へ手を上げてくれていて,嬉しかったです!
マナティーとジュゴンについて,どんなものを食べているのか,何年くらい生きることができるのか,など紹介していきました.
わたしたちの研究データも紹介しました.
・ジュゴンが夜鳴いていること
・マナティーはぐるぐると回りながら泳ぐこと
この理由として3択の答えを用意しておき,みんなに手を上げて答えてもらいました.
データから考察していく研究の過程を,みなさんも体験できたでしょうか?
最後に紹介したのは
「人魚のモデルとなったのはどっち?」
人魚と聞いて私たちが想像するのとは違う,昔の人がイメージした人魚の絵や,怪獣みたいなマナティーの絵などを紹介しました.
昔のひとたちが想像して描いた人魚の絵は,人の顔に鳥の体だったんです!
ギリシャ神話で語られた「人魚の美しい歌声」から鳥がイメージされたのでしょうか.
怪獣みたいなマナティーの絵とは,ゲスネルの「動物誌」(1670年)に載ったものです.
作者はマナティーを見たことがなく,見た人から「伝え聞いた」ことを頼りにマナティーを想像して描きました.
それは2本のツノをもつ牛のような顔の怪獣でした.
さて, 世界中にはたくさんの人魚伝説がありますが,今回は
人魚を見た人・人魚を説明した人
この2点に注目して紹介しました.
大航海時代,「人魚を見た」と航海日誌に書き残したのは,あの有名なコロンブスです.
人魚を見た場所とマナティーの分布が一致するため,コロンブスはマナティーを人魚と見間違えたのでは?といわれています.
日本でジュゴン=人魚とイメージされるようになったきっかけは,南方熊楠という学者が本で説明したことがきっかけだと考えられています.
「人魚と言われているのはジュゴンのことでしょう」
この説明が書かれた本が,ジュゴンをよく知らなかった当時の人たちに広まっていったのだと思われます.
最後は塗り絵つきの資料をお配りしました.
みなさん,塗り絵やってみましたか?
大人の方にも塗り絵はストレス発散になるのでおすすめですよ!
マナティーやジュゴンの生息地や食べているものなど,書き込んでみるのもおもしろいかもしれません.
可愛いマナティーのぬいぐるみを持ってきて見せてくれた女の子!
マナティー好きなのでしょうか?とても嬉しいですね!
私たち講師陣もとても楽しい会でした.
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