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ペーパークラフトから見える、生き物の個性、子どもたちの個性

<親子ではじめての鳥さんぽブログ・第3回目です>


会議室へ移動しました。


荻本氏がデザインしているペーパークラフトキット「いきもの・とどめがみ」で、手を動かしながらもっとじっくり鳥の観察をしていく時間です。


「いきもの・とどめがみ」は、ハサミを使わなくても、ノリだけで制作することができ、小さな子が作る場合でも安全に行うことができます。


また、生き物の特徴が分かりやすいようにデザインされており、環境教育などにも最適な教材だと思います。


色彩も過度に華美でなく、自然な色合いが美しく、子どもが作り終えた後も、インテリアなどで楽しむこともできます。


僕のうちでも、子どもたちが作った鳥が、いつも元気に飛び回っています。



荻本氏は、この教材にも、しっかり自分の思いを載せてデザインされています。


その鳥がどのような色や模様をしているかだけではなく、どのような環境で暮らしているのか、子どもたちに目を向けさせたい。


通常のペーパークラフトセットには、生き物の生息環境に関心を向けるような工夫のあるパンフレットが同封されているのですが、今回は特別版として、生き物たちが住んでいる街の風景(公園・駐車場・街中など)も組み立てられるように、ご準備してくださいました。


手を動かして作っていくことで、生き物たちについてどんどん知りたくなってしまいます。


良きガイド役である荻本氏がすぐ側で質問に答えてくれるという絶好の学びの機会。

本当に贅沢な時間です。


子どもたちも、制作の進め方やペースに個性が出ます。


一人で集中して作りたい子、パパママと一緒に作りたい子、パパママはそばにいるだけで良くてあまり手伝ってほしくない子。


一羽作ったら、満足な子もいれば、違う鳥もどんどん作りたくなる子もいます。


荻本氏は、どんな子どもの作り方も、温かく迎え入れるスタンスで、鳥の姿を作り上げようとする子の眼差しと同じ高さで話をしてくれます。


親として、親以外の大人が柔らかい関わりで子どもたちに寄り添ってくれるのは、すごく安心ですよね。


自分が子どもたちに伝えられることなんて、ごく僅かですから、いろいろな大人に関わることで、その大人の数だけある安心感や体験に触れて欲しいと思っています。


きっと、そういう体験が、20年後、30年後に大人になって、彼らが関わる子どもたちに還元されていくんじゃないかなあ。


優しさは、受け継がれていくものであるように思います。




「自然」、「街」、「人」の間に立つ


子どもたちが次の鳥を作ったり、飽きて友達と遊んでいる中で、大人たちは、荻本氏のこれまでのライフヒストリーなどに興味を持ってお話を伺っています。


みなさん、学校の先生なので、荻本氏のこれまでから環境教育の足跡を辿りたいのかもしれませんし、コミュニケーターとして、人や環境とどう接点を作っていくのか、ポイントを探りたいのかもしれません。


荻本氏を囲むようにして、話はゆっくりと進んで行きました。


荻本氏は元々都市環境デザインやまちづくりの分野を学ばれていたそうで、自然環境と街、街と人、人と自然を重ね合わせることに向かって進んでいたとか。


僕としては、やっぱりなあと、納得です。


生き物が好きという人の中には、人付き合いがあまり得意ではなく、生き物の観察の方向に向いていく方もいらっしゃると想像していますが、荻本氏は今回のように大人や子どもと対話を重ねたり、生き物と街との織り合わせを大切にしたりと、二つの間に立とうとするスタンスをお持ちの方です。


「ウナギいきのこりすごろく」の制作についてや、今回作った鳥達以外の「いきもの・とどめがみ」などの話なども伺い、大人達にとってもゆったりとした時間を過ごしました。


最後にみんなで写真撮影。

みんなで作った鳥達も一緒に、素敵な写真が撮れました。


参加者の皆さん、荻本氏、そして今日、出会うことのできた鳥達・生き物たちに感謝です。



少しの気づきで、ちょっと変化した暮らし


その後、僕はというと、週に一度のジョギングでは、川沿いのコースを選ぶようにして、水鳥がいては足を止めて、のんびりと眺めることが多くなりました。


見分けられる鳥の種類も多くなったので、今まで知っていたかのように、学校の子どもたちに鳥の解説をするなど、得意げになって話をしています。


ある参加者は、「鳥さんぽ」のあと、すぐに書店に立ち寄って、町で鳥の観察を楽しめる本を購入したそうです。


みんな少しの気づきがあって、それが見方や暮らし方に、ちょっと変化を及ぼしているのではないでしょうか。


うちの子どもは、鬼滅の刃の新しいシリーズを見ていたときに、小鳥が桜の枝に止まるシーンがあって、「あっ!メジロだ!!」と呟きました。


この日の体験が、しっかり根付いていて、また子どもたちを連れて、自然観察に出かけたいなあと思い返した次第です。




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参考リンク


よそみっこ


ウナギいきのこりすごろく





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